弦を伝わる波
弦を伝わる波
下図のように速度$ \ v \ $で弦を伝わる一次元の波を考える。
この波を波と共に動く座標系で観測すると、弦は逆向きに速度$ \ v \ $で移動し、波形は止まって見える。波の山の付近の微小部分を円で近似すると、弦の微小部分の運動を速度$ \ v \ $の円運動で考えることができる。向心力は重力を無視すると、下図のように張力$ \ T \ $の合力となる。
弦の線密度を$ \ \rho \ $とすると運動方程式は次のようになる。
\[2T\sin\theta = \rho ds\frac{v^2}{R} \tag{1}\]
$ \ \theta \ $が微小のとき、$ \ \sin\theta \sim \theta \ $であるから、(1)の左辺は以下のように変形できる。
\begin{eqnarray}
F&=&2T\sin\theta\\
&\fallingdotseq&2T\theta\\
&=&T\frac{ds}{R}\tag{2}\\
\end{eqnarray}
(1)、(2)より、
\[v=\sqrt{\frac{T}{\rho}}\tag{3}\]
を得る。